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2005年5月13日

我が家の耐震 大丈夫か 兼松日産農林のビス偽装 相談1000件超す 4割以上、用途不明

 兼松日産農林が、同社製ビスを使った住宅用壁材の耐震強度を偽装していた事件に絡み、問題のビスが使われた可能性がある住宅の持ち主に不安が広がっている。同社はビスを使用した住宅数を約1万戸と発表。しかし、実際に販売されたビス6億本のうち4割以上がどのような用途で使われたか判明しておらず、住宅会社側からも「被害は把握しきれない」という声も上がっている。 

 「自分の家は本当に大丈夫なのか」――。国土交通省の依頼で相談窓口を設置した財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(東京)には、不正が発覚した2月から4月末までに、兼松日産農林製のビスが使用された可能性が強いツーバイフォー住宅の購入者を中心に約1,070件の相談が寄せられた。 

 同センターによると、「家に問題のビスが使われたか知りたい」という相談が大半。「ビスが使われた住宅が特定できていないのに、住宅会社から大丈夫と言われても信用できない」と不信感をあらわにするケースも多いという。 

 兼松日産農林が4月に発表した調査結果によると、問題のビスで作った壁材は全国約1万戸で使用された可能性があり、このうち建築基準法の耐震基準を満たしていない住宅は408戸に上る。これに対して偽装が始まったとされる1999年以降に販売されたビスは約6億本。4割以上がどこに使われたか特定されていないことも判明した。  

 同社は「特定できないビスはツーバーフォー住宅の壁材以外に使われた」と強調。しかし、住宅を販売した会社は「卸業者から出回ったビスの追跡はきわめて困難。ビスの用途が壁材だけに限らないこともあり把握は難しい」と指摘する。ビスを確認するには、壁紙をはがすなどコストや手間がかかることも、追跡調査を妨げる一因となっている。 

 国交省建築指導課の今村敬課長補佐は「ビスが使われた壁材の強度は耐震設計の根幹。住宅に対する信用を損ね、居住者に不安を抱かせた同社の責任は重い」と指摘。警視庁は同省の告発を受け、3月下旬に兼松日産農林を家宅捜索した。現在、刑事責任の追及を進めているが、問題のビスを使った家に住んでいるという住宅購入者の不安は簡単には解消されそうもない。


2005年5月12日 日本経済新聞より

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