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2005年5月10日

東大、「知能住宅」を開発 センサーで察知 必要な情報提供

 東京大学の研究チームは住人が必要な情報をタイミングよく提供してくれる「知能住宅」を開発した。ベットやソファなどに埋め込んだ500以上のセンサーで住人が起床したことやソファに座ったことなどを“理解”し、壁や床にスケジュールなどを表示する。知能住宅の開発は産業技術総合研究所なども手がけており、今後、住宅メーカーなどにも広がりそうだ。

 東京大学の森武俊・助教授らは研究室の一画を改装して、6畳程度の広さの部屋にベッドやソファ、テレビなどを配置した。
 床や家具に圧力センサーを組み込み、人の居場所がわかるようにした。家電の使用状況、タンスの開閉は電流センサーやスイッチで調べる。センサーの情報を分析して、住人がどこで何をしているのかを把握。天井に取付けた可動式のプロジェクターで見やすい位置に情報を表示する。
 例えば、朝、ベッドで起き上がると、目の前の壁に「9時に歯科医院」などの予定を表示。帰宅すると床に「飲物が冷えています」といった情報が映し出される。センサーの種類を増やせば、冷蔵庫に入っている飲み物の量を調べ、「帰りにお茶を買ってくること」とアドバイスすることもできる。プロジェクター代わりにテレビも使える。
 住む人の生活パターンを住宅が把握していれば、なかなかベットから起きてこないといった異変を察知して、医療機関に連絡することも可能だ。将来はセンサーで集めた情報をロボットに送り、家人の手伝いをさせることも夢ではない。ネットワークを活用してロボットに情報を送ることができるので、ロボット本体に高度な画像処理システムを組み込む必要がなく、ロボットの軽量化や価格低下につながる。
 日本では産業技術総合研究所などの複数の研究機関が知能住宅を開発している。現時点では人の行動を計測するなどの基礎的な実験が多い。今後、住人を支援する具体的な試みが本格化しそうだ。


日経ホームビルダー 2005年 5月号より

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